レーザー光線による障害防止対策要綱

レーザー光線の特性を応用した様々な製品がビジネスシーンでも活躍しています。例えばレーザー墨出し器、レーザー距離計、レベラー、レーザーポインタ―など可視化ニーズに応える機器が多く販売されております。

一方で便利な反面、目に入ってしまうと危険を伴うのも事実であり、万が一の事故を考慮して厚生労働省は障害を防ぐためのガイドラインを平成17年に策定しております。

簡単に概要を説明してみます。(レーザークラスをご理解されている方は飛ばしていただいて構いません)

レーザー光線の視認性が高いということは環境(周辺の明るさや対象の色など)にもよりますが基本的にレーザー出力が高いということになります。

レーザー出力が高いということは人間の目に直接入ってしまうと危険性が高いことを意味します。ただ厄介なことにレーザー出力の単位はmWで通常表記されますが、実はmWだけではレーザーのエネルギーを計ることはできません。

レーザーエネルギーをクラス分けした指標が国際規格IEC60825で定義されており、IEC規格をそのまま和訳したのがJIS(日本産業規格)となります。
*IEC60825=JIS6802*実際の規格には発行年が末尾に追加されます。

話を戻しますと、このレーザークラス分けによって危険性がカテゴライズされており、厚生労働省の障害防止対策要綱もレーザークラスに準じて管理すべき項目を設定しているのです。

管理すべき項目は製造事業者が設計段階で考慮すべき項目と使用者が使用現場で管理すべき項目が混在しておりますのでレーザー機器をビジネスの現場で使用される際は製造と使用の両面で考慮する必要があります。

当店では法人限定で高出力レーザー機器を用意しておりますが、消費者が直接購入できないよう、店舗在庫は常時売り切れ設定としております。
見積やご質問などはお手数ですがお問合せ よりお願い致します。

 

レーザー機器のクラス別措置基準一覧表*厚生労働省JP参照

措置内容(項目のみ)

レーザー機器のクラス

4

3B

3R

2M

1M

レーザー機器管理者の選任

※1

 

管理区域(標識、立入禁止)

 

 

レーザー機器

レーザー光路

光路の位置

光路の適切な設計・遮へい

※1

 

適切な終端

※1

※2

キーコントロール

 

 

緊急停止スイッチ等

緊急停止スイッチ

 

 

警報装置

※1

 

シャッター

 

 

インターロックシステム等

 

 

放出口の表示

 

作業管理・健康管理等

操作位置

 

 

 

光学系調整時の措置

保護具

保護眼鏡

※1

 

皮膚の露出の少ない作業衣

 

 

難燃性素材の使用

 

 

 

点検・整備

安全衛生教育

健康管理

前眼部(角膜、水晶体)検査

※1

 

眼底検査

 

 

 

その他

掲示

レーザー機器管理者

※1

 

危険性・有害性、取扱注意事項

レーザー機器の設置の表示

 

 

レーザー機器の高電圧部分の表示

危険物の持ち込み禁止

 

 

有害ガス、粉じん等への措置

 

 

レーザー光線による障害の疑いのある者に対する医師の診察、処置

○印は、措置が必要なことを示す。

※1 400nm~700nmの波長域外のレーザー光線を放出するレーザー機器について措置が必要である。

※2 JIS規格10.6に掲げるレーザー機器にあっては、レーザー光路の末端について措置が必要である。